【戸建て塗装】最近「無機」ってよく聞きますが

伊原塗装の健太郎です!

SNSでは時折投稿しているものの、

会社のブログでは大変ご無沙汰しております。

昨年建てた自宅の駐車場でBBQする
ワタクシ…すかしてますね

さて、私が久々にブログを更新しようと思ったのは、タイトルにもありますが

「無機」という言葉を業界内やお客様からよく聞くようになってきたからです。

最近というわけではないですが、ここ1~2年、聞く機会が圧倒的に増えました。

こぞって塗料メーカー各社が無機系塗料をリリースしたのもありますが、

ネットで塗料を簡単に調べられるようになってから脚光を浴びた印象です。

それだけユーザーの関心度が高い無機系塗料の

あまり語られていないところを深堀しようというのが本日の狙いです!

無機の塗料というと、こんなイメージです。

無機系塗料は耐候年数20年クラス…現状でフッ素樹脂塗料を超え、

最高グレードの高耐候性塗料と言えます。

耐候性20年クラスの塗料を無機系塗料と呼ぶのだと、

なんとなく無機という樹脂があるのかな?程度に私も思っていました。。

しかし結論から言いますと、無機塗料に明確な定義は一切ありません!

※JISなどの公的な規格もありません

※もちろん無機樹脂というものもございません

  • 無機系塗料(S社)
  • 変性無機塗料(D社)
  • 無機複合ふっ素樹脂塗料(S社)
  • 無機有機ハイブリッド塗料(K社)

各社がリリースした代表的無機系塗料、この塗料に共通しているのは、

フッ素樹脂塗料より高耐候性な塗料であること、

そしてなんとシリコン樹脂を使っているというところなんです。

そもそもですが、分類でいえばシリコン樹脂も無機物なんですよね。

簡単に言えば、無機物は「固く、燃えにくいもの」で、

有機物は「柔らかく、燃えやすいもの」です。

無機物の方が耐候年数は長いものの、

それだけでは建物の挙動や地震に対抗できる柔軟性に欠けます。

よって無機と有機をうまく組み合わせた塗料が今市場に増えているのです。

例えば弊社が戸建て塗装でイチオシする

関西ペイントから少し前にこんな塗料がリリースされました。

ラグゼMUKIシリーズ、これは関西ペイントの中でこのようなランクになります。

前述のとおり、フッ素樹脂塗料以上の耐候性を持っていますね!

概ね18年~20年クラスの耐候性が期待できます。

しかし、使用されている樹脂は「シリコン樹脂」と「アクリル樹脂」なのです!

段々ややこしくなってきましたね(笑)

お伝えしたい要点は、下記2点です!

①樹脂の組み合わせ技術が向上してきた

②シリコン樹脂といっても高耐候なシリコン樹脂からそうでもないシリコン樹脂もある

①の樹脂の組み合わせ、有機と無機の組み合わせであれば、

「シリコン」×「アクリル」

「シリコン」×「フッ素」

そういった組み合わせで柔軟性もあり、高耐候な塗膜を作っているのです。

これは技術進化の賜物で、コストパフォーマンスの高い塗料が一気に増えました。

その反面、扱う側、ユーザー側からすると

シンプルに樹脂だけで判断するのが難しくなってきましたね。

そして②の樹脂のクオリティに関しては正直プロでも判断が難しいです。

そうなるとメーカーと施工店が塗料の特性ををよく理解し、すり合わせる必要があります。

関西ペイントは、建築用塗料の樹脂を国内製造している数少ないメーカーです。

化学反応が肝の樹脂製造、専用の設備と技術が必要な作業を自社製造する体制で、

コストパフォーマンスの良い樹脂とハイエンドな樹脂を作り分けているのですね。

もちろん技術が向上したのは、樹脂の組み合わせだけではありません!

各社独自の技術で対候性を高めることに成功し、

ハイコストパフォーマンス、高機能な塗料が生まれているのです。

太陽光や雨風により、チョーキングや塗膜剥がれ等の劣化が発生します。

粉塵の蓄積や微生物の付着などで雨ダレの汚れや藻・カビの発生が起きます。

そういった建物の「保護」「美観」を保つ高機能な塗料が

ハイコスパで生まれているのであれば、使わない手はございません。

前述の技術は10年前にはなかったものです。

世の中には数十年クラスでロングセラーな塗料もございますが、

同じ耐候年数のシリコン系塗料でも最新の塗料の方が

美観の保ち方や目に見えない劣化を防いでいたりするかもしれないのです。

そこを見極めて施工店が提案できているかどうかが非常に重要です。

お客様からすると判断が難しい部分だと思いますので、

塗り替えをご希望の際はぜひ何社か話を聞いてみて、

塗料に対する知識量や熱意を確認してみてくださいね!

長くなり恐縮ですが、最後に、

過去に私が書いたブログで、樹脂に触れたものを紹介します。

塗料のギモン~②塗料選びのポイントは…!~

人生であと何回塗替えを行いますか?

↑クリックで各ブログに飛びます

過去にはただ塗り替え年数を延ばすよりも10~15年クラスの耐候年数の塗料で

メンテナンスを定期的にした方が良いと発言したこともあります。

しかしいま、私の考えは少し変わってきています。

上記発言は、そのタイミングではフッ素や

それ以上の耐候年数の塗料の値段が高すぎたのです。

今は本当に高性能塗料に手を伸ばしやすくなりました。

おなじ10年、15年で塗り替えするとしても、

コストパフォーマンスの良い高耐候で高機能の塗料で塗り替えた方が、

次の塗り替えまで美しい家で安心して過ごせる

そしてあわよくば20年に1回の塗り替えで済む

今はそんな世の中になっているのかもしれません。

常に勉強、研鑽が大切です!

それではまた次回お会いしましょう!